月の黒谷月の黒谷
作詞/新本創子 作曲/船村 徹 歌手/鳥羽一郎
夜襲に死すとも 仇を恨むな
恨めば修羅は 末代なれば
父の遺言(こころ)の 重たさ辛さ
月の黒谷 宿業(さだめ)をすすぎ
衆生(しゅうじょう)の悲しみ すくい取る
熊谷直実(くまがいなおざね) 胸の却火(ごうか)も
青露草も 五逆の罪も
あるがままにて 救われるべし
山は崩れて 天は堕ちても
月は冴えゆく わが仏法(のり)に
母上の古い御(み)手紙を抱きしめ
遠流(おんる)の船に揺れながら
今 法然は母とひとつなのです
左は焔(ほのお)か 右は渦潮
流刑の海道(うみ)に 迷いはないが
姿寂しく 別れた母に
人の子なれば 乱るる涙
淡き月影 懐かしや
「法然上人の御歌」
月影の いたらぬ里は なけれども ながむる人の 心にぞすむ