林道を歩いていると、一頭の子熊と出会った。親とはぐれたようで、餌がないのか衰弱していた。頑張れ子熊。行方不明になった男性の捜索の帰り道、林道わきの木の根元に、うずくまる黒い影があった。こちらに気付いたのか、木に登り始めた。よく見ると、一頭の子熊だった。毛繕いがされていない事から、親とはぐれた子熊だと判った。その日は、親熊がいる可能性もないわけではないので、静かにその場を離れる事にした。翌日心配になって再び訪れると、子熊はやはりそこにいた。杉林なので餌になるようなものはない。ほっておいたら、恐らく衰弱死してしまうだろう。
野生動物にエサをやる事は悪い事だが、なんとか餌のある場所まで移動できる体力をつけてあげなければ、餌を置いてその場を離れた。この思いは届いたのだろうか・・・ がんばれ、子熊。