崩れる大地 日本列島を襲う豪雨と地震いま日本列島は、かつてない土砂災害が多発する時代に突入している。地球温暖化による海水温の上昇が、観測記録を塗り替える集中豪雨をもたらし、山の大規模な崩壊が次々と起きているのだ。その脅威は、東日本大震災以降の地震活動の活発化によって、更に増している。
今年の夏、停滞した梅雨前線による集中豪雨が九州地方を襲い、山では200カ所以上で斜面の崩壊が発生した。昨年9月には100人近くの死者・行方不明者を出した紀伊半島豪雨が発生。観測記録を遙かに超える大雨によって、山が岩盤から大規模に崩壊、流域に甚大な被害をもたらした。いま日本は、これまでにない集中豪雨が、各地を襲っている。原因は、地球温暖化による夏の海水温の上昇と、気圧配置の変化にある。将来の気候を予測するシミュレーションは、この先も集中豪雨はさらに深刻化することを示唆している。そして東日本大震災後、地震活動の活発化が、土砂災害の脅威を更に高めている。近い将来発生することが危惧されている南海トラフの大地震で、人口が密集する地域の山を大規模に崩壊させる可能性が危惧されている。激しさを増す豪雨と巨大地震は、日本の山を大規模に崩壊させるリスクをかつてないほど高めている。
番組では、最新の気象研究を元に大雨の降り方を徹底検証、そして大規模な山の崩壊はどのように発生するのか、最新研究から紹介する。高まる土砂災害から命をどう守るのか、危険性を見つけ出し対策に結びつける最前線の動きを見つめていく。