統合失調症の55歳成人男子に併発した錐体外路症状ならびにパニック症状に対する身を介した認知行動変容リハビリ療法による介入:第2報前回、パニック症状と錐体外路症状に対する本介入前後の症状の改善とその後の6ヶ月間の介入結果を報告した。その後も毎週、定期的に介入を1年続けた結果、睡眠導入剤、SSRIを中止したまま、抗パーキンソン病薬、向精神病薬もさらに減量あるいは中止出来た。手指の振せん、顔面・首の過緊張状態もさらに改善し、いずれの症状も安定した状態を維持している。パニック障害に対してのSSRIのセロトニン仮説、薬剤性パーキンソン症候群へのドパミン仮説を元に、本介入により実現出来た事とその介入の意味を考察した。すなわち、末梢のみならず中枢神経系のシナプスを含む知覚認知運動恒常系を賦活し、調和を回復する汎用的な介入法であることを実地臨床の立場から述べた。