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単なるオムニバスでも群像劇でもない、映画にしかできない〈世界の掴み方〉。3つのエピソードは独立しながらも、登場人物は章を跨いで姿を見せる。フランスの文豪バルザックが「人間喜劇」で作り上げた方法論を用い、全体に生きる個の孤独と“可能性としての救済”を辛辣かつ明瞭な視点で描き出す。ローマ国際映画祭2009、パリシネマ国際映画祭2010正式招待作品。シネ・ドライヴ2010大賞受賞。『歓待』で世界を爆笑と賞賛の渦に巻き込んだ深田晃司監督、2009年の作品。

19世紀フランスの風光明媚な景色の中、夢のような母子の生活と死に近づく母の様子が対照的に描かれる。柔らかな光が差し込む繊細な絵画に時間軸の異なる会話を重ね、文学の息吹を映像で見事に再現している。古楽器による演奏が心に深く沁みる。フランスKINOTAYO2008映画祭ソレイユドール新人賞受賞。映画評論家・山田宏一をして「珠玉の詩画集ともいうべき傑作」と言わしめた作品。文芸慣習：鹿島茂／絵画・美術：深澤研／音楽・演奏：上尾直毅

済州島、ソウルと東京、そして仁川国際空港。それぞれの場所での、たった一日の出来事。戦後60年を記念して企画され、日本と韓国の若者たちをみずみずしく描いた3つのエピソードからなる青春オムニバス作品。両国の歴史が若者たちにどんな影響を及ぼしているか、日常感覚の日韓関係が捉えられ、日韓新時代を予感させる。エピソード1『宝島』は、『歓待』の主演女優＆プロデューサーとして注目される杉野希妃の記念すべき女優デビュー作。