【誤訳恐るべし】(4/5)無形・不可視である聖霊は中性名詞(無生物)【誤訳を防ぐ努力の形跡】 「軽減税率」の制度設計、「TPP対策」でおなじみの田淵隆明氏による、キリスト教の歴史と翻訳の問題のお話(2回目)です。
「聖霊」は「形の無い、不可視の存在」ですが、ギリシャ語(Πνευμα)は中性名詞ですが、ラテン語(Spiritus)は男性名詞です。つまり、ギリシャ語では「聖霊」が無生物であり、成人男性と解釈される余地は無いのですが、ラテン語ではそのリスクがありました。そこで、前置詞deとexを切りかえることにより誤訳を防いでいます。
また、英語圏ではヨハネの福音書の記述について牽強付会な曲解をして、「聖書の中でムハンマドが予言されている」という主張がなされることがありますが、これも原典のギリシャ語では「聖霊が中性名詞」であることにより完全に虚偽であることが分かります。