ANIMUS帝国時代
目だけで侮蔑を表し
口は閉ざしたままの人々がいた
物言う恐れは集団を生み
物言う者を自然と孤立させる
長い夢から覚めたばかりの世捨て人が
うっかり群衆に入り込んだら
ひとりでに道が出来ていた
狂気が作る道を歩く
あくびした世捨て人が
向けられる敵愾心に気付いた
覚えのある顔
小さな狂気は燃え広がる
人から人へとたちまち膨らんで
集団はその大きさを誇示し始める
多勢に立つ味を覚えた君は
一人きりの僕が邪に見えたのか
僕を悪に仕立てた
帰属意識が君を飲み込んだ
帰属意識が君の鼻息を荒くさせた
君だけの気持ちなら本物かもしれないね
主観を喪失するのが本当の流行り病だ 流行り病だ
どんな夢でも結末を迎える前に目が覚める
青い朝にどこからか聞こえる
協調することもなく笑う人々の声
君は一人きり雑踏を歩き
いずれ僕を見つける
僕はずっと待っている
久しぶりにたった一人になった
君と向かい合えるのを