12 醒
醒(さ)めた蒼(あお)い月(つき)も直(す)ぐに 後 (うし)ろに在(あ)る故(から) 抱(だ)き締(し)めた儘(まま) 銀(しろ)に染(そ)め て 霽(は)れた貌(かお) 斎槻(いつき)の直路(すぐ じ) 一路(いちろ)に歩(ある)かば 唯(ただ) 此(こ)の瞳(め)に映(うつ)る 風(かぜ) に踊(おど)る田菜(たな)
詞(ことば)を弄(ろう)しても 愛(あい)を騙(か た)っても 滲(し)み出(だ)す汚泥(おでい)は 隠(かく)し切 (き)れない
無頼(ぶらい)を気取(きど)っても 悪(あく)を誇 (ほこ)っても 捨(す)てきれぬ 真心(こころ)
醒(さ)めた蒼(あお)い月(つき)も直(す)ぐに 後 (うし)ろに在(あ)る故(から) 抱(だ)き締(し)めた儘(まま) 銀(しろ)に染(そ)め て 霽(は)れた貌(かお) 斎槻(いつき)の直路(すぐ じ) 一路(いちろ)に歩(ある)かば 唯(ただ) 此(こ)の瞳(め)に映(うつ)る 風(かぜ) に踊(おど)る田菜(たな)
左様(そう) 己(おのれ)と向(む)き合(あ)うこと を 恐(おそ)れ謀(たばか)る 何(なに)かを求(もと)むなら 瞳(ひとみ)を見開 (みひら)いて
胸(むね)の臆(おく)で 睡(ねむ)る光(ひかり) 誰(だれ)でもなく我(われ)を羽包(はぐく)んで
醒(さ)めた蒼(あお)い月(つき)も直(す)ぐに 後 (うし)ろに在(あ)る故(から) 抱(だ)き締(し)めた儘(まま) 銀(しろ)に染(そ)め て 霽(は)れた貌(かお)で槻(つき)を潜(くぐ)り 一 路(いちろ)に歩(ある)かば 未(ま)だ 此(こ)の瞳(め)に宿(やど)る 醒(めざ) め創(はじ)めた光(ひかり)を 止(と)められない故(から)