羽音の記録鈴生りの蜜蜂を追い払って
浮浪の使者達はいずこ 遠く町 誰かの下へ
そして伝えて この家族のこと
またあいつがやって来て
僕は守りたいものの為 まるで降伏するように俯してそれを包み込むけど
その度 僕は紙屑になる
露にも露になる氷塊
結晶すればいずれ溶解する自然律を冒す 純粋な誇り
それはあまりに打算のない諸刃の剣
報復しないのは憎しみがないからじゃない
みんなの未来があるから
透明でいて不鮮明な意識の下
僕はこの獣を殺さない
ヌーの行軍をハネジネズミが先導し
軌道をずらしながら遥か海を目指す
どこにでも流れ着ける海へ
列車の衝突のような着水や否や 石油のように広がる難破船
とうに息のない使者に託したままの願いを偏西風が受け継ぐ