EV需要減少「みんなが現実に気づき始めている」トヨタ会長、EV過大評価に言及 K(関連情報)消火した5日後にまた燃えた!? EV火災の怖さと、斬新すぎる対策とは?
7/10(月) 12:10配信
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くるくら
2017年にノルウェー消防救助局が行った熱暴走の実験の様子。発火後に消火したが熱暴走が続き、再度発火している。画像=NTSB
クルマの火災において、ガソリン車とEVでは火災の性質が全く異なることをご存じだろうか? 6月に開催された東京国際消防防災展では、EV火災を何度も経験している海外から、消火活動の大変さと課題解決手段が製品として提案されていたので紹介しよう。
【写真】バッテリーが燃えた後はこうなる!
EV火災のおそろしさ
リチウムイオン電池を搭載しているBEVやPHEVなどは、事故などで損傷するとショートを起こして発熱する。さらに、熱は他のバッテリーにも次々と伝わり、発熱が連鎖する”熱暴走”状態になる。熱暴走が始まると、火が消えていても自己発熱が続き、やがて発火してしまう。これが理由で、EV火災の消火には大量の水で長時間の放水を要することが問題となっている。
米国運輸安全委員会(NTSB)では、世界で起きたEV火災の消火活動を報告書にまとめている。例えば2017年8月に米国カリフォルニア州でSUVが衝突事故を起こし火災が発生した際には、約50分で消火したものの、1時間後に再発火したという記録がある。しかも、その後消火するも、さらに45分後に再々発火し、合計で約7万6000リットルもの水を使用したという。通常の自動車火災では数千リットルの放水で消火されることもあるので、この数字が如何に大きなものであるか想像できるだろう。
また、2018年3月に同じくカリフォルニア州で起こったSUVの衝突事故では、事故発生から数分後に消火できたものの、メーカーのサポートの到着を待つため、高速道路を6時間近く閉鎖。しかも、事故発生から約7時間後と5日後にも再発火が確認されている。
EV火災での再発火に悩まされた事例は多いが、2019年3月にオランダで展示中の車両が燃える事故があった際は、水が入った大型の水槽にクルマを24時間水没させることで再発火を防いでいる。
一般的な火災であれば酸素供給を断つことが有効とされているが、リチウムイオン電池の場合はそれが通用しない。リチウムイオン電池は発熱すると、電極の活物質が熱分解して自ら酸素を放出するからだ。おまけにバッテリーは車両の下部に配置されているため、放水しても正確に消火・冷却することが困難だ。このことからも、EV火災において現時点で確実に消火できる方法は「クルマを丸ごと水槽に沈める」という結論に至っている。