IMG_8230.MOV誕生日を祝福する歌声を聞いて、足は自然とその声のほうへと向かっていきました。激安の殿堂 ドン・キホーテには似つかわしくない(と言ったら失礼でしょうけど)声の主は一体どんな人なんだろうか? 自分にしては純粋な好奇心でした。この曲がり角を過ぎたら、会える。その瞬間、わたしの緊張はマックスに達しました。角を曲がると、ひとりの子どもが座り込んでいたんです。「ハッピーバースデートゥーユー」。背中を丸めて歌う彼女の手には、拳銃が見えました。小さなピストルです。私はそれを奪い取ろうと思いました。彼女のことを何も知らなかったのに。話に耳を傾けることもなく、ただ、その拳銃を取り上げようとしました。しかし、彼女はありえない握力でそれを握りしめていた。私はただ「ダメ」と言いました。なんの根拠もないのに、否定して、凶器をもぎ取ろうと必死でした。私は無力でした。その後のことは、ごめんなさい。ちょっともう思い出すだけで耐え難いので今日は筆を置きます。