ミハイル・ロンム『夢』(41)DVD予告編②ウクライナ西部の街にある下宿屋「夢」荘。
1930年代、まだポーランド領だったその地で展開される、小さな人間達の群像劇。古典的スタイルの完成期に制作されたこのソ連映画を、ロシアのある批評家はフランスの名匠ジュリアン・デュヴィヴィエの『旅路の果て』と比較した。
ロンムは1934年に監督デビュー、1960年代には『一年の九日』と『ありふれたファシズム』という傑作を残しただけでなく、映画大学でチュフライ(『誓いの休暇』)、タルコフスキーやミハルコフ、ソロヴィヨフ(『白夜の調べ』)を指導した名教師でもある。
この映画は1930年代後半、大恐慌の余波が残るポーランドの階級的、民族的な葛藤を背景としている。
オールド・ファンも黒澤ファンも、そしてタルコフスキーのファンも必見の作品と言えるだろう。
(11月22日)