高校講座 東大国史 水戸学7 水戸学中興の祖 藤田幽谷の位置とその意義藤田幽谷
ふじたゆうこく
[生]安永3(1774).水戸
[没]文政9(1826).12.1.
江戸時代後期の朱子学派の儒学者。名は一正,字は子定,通称は次郎左衛門。東湖の父。水戸の商家の生れ。志水元禎,立原翠軒に朱子学を学び,15歳のとき彰考館生に抜擢されて士分となり『大日本史』の編集にあたった。 24歳のとき,時勢を痛論したため3年間蟄居。許されてのち,彰考館総裁となり,また郡奉行として民生安定にも力を注いだ。大義名分を強調し,尊王思想を鼓吹し,海防を論じるなど,後期水戸学派の先駆者として大きな役割を演じた。著書『正名論』『勧農或問』『修史始末』。