【誤訳恐るべし】(6/6)東西教会分裂の悲劇【Filio-que条項】
「軽減税率」の制度設計、「TPP対策」でおなじみの田淵隆明氏による、キリスト教の歴史と翻訳の問題のお話(1回目)です。
1回目はキリスト教の根本信条である「ニケア・コンスタンティノープル信経」のFilio-que条項の説明です。背景には800年に"西ローマ皇帝"に即位したカール大帝による「異端アリウス派対策」と、「ギリシャ語が5格構造でラテン語が6格構造であること、及び、ラテン語の奪格の多義性」という言語学的構造の問題が背景にあるようです。
ロマンス諸語(フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語)では、de/diの多義性が大きな問題となりますが、これには元来多義的であったラテン語奪格と属格がde/di+対格に統合されたことが背景にあります。
また、最初に、パレスティナ問題を複雑化させた国連決議242号の問題も取り上げられています。