渇水対策で12年ぶり 東京都が「人工降雨装置」試運転2013年8月21日東京都の水源となっているダムの貯水量が低下する中、東京都は多摩川水系の小河内ダム周辺にある人工的に雨を降らせる装置をきょう、試運転させました。装置の稼動は2001年8月以来、12年ぶりのことです。
試運転が行われたのは奥多摩町と山梨県甲州市にある2カ所の人工降雨装置です。この装置はヨウ化銀とアセトンの混合液を燃焼させて煙を噴射し、上空の雨雲の中で人工的に氷の結晶の核をつくって雨を降らせます。きょうは上空に十分な雨雲があるとして、噴射される煙は目には見えませんが大勢の見物人が見守る中、午後2時から1時間の試運転が行われました。都の水道局は「装置の稼動によって降雨量を5%増やすことが期待できる」としていて、効果が現れるまでには1時間から3時間ほどかかるということです。
都内で使用する水のおよそ2割を供給している多摩川水系のダム貯水率は現在69%で平年を下回っています。利根川水系では10%の取水制限が続いているため、都は多摩川水系からの取水量を増やして賄っていますが、今後もまとまった雨は予想されていません。装置を本格的に稼動させるかどうかは今後の貯水率などを見ながら判断するということです。