吟詠書道 春日山懐古(かすがやまかいこ)時代の英雄の、天下統一という壮大(そうだい)なくわだても、はかなく一場(いちじょう)の夢となった。今、春日山の城址は空しく夕もやにとざされてしまった。当時、戦場を駆け回っていた名馬のいななく声もなく、今はただ唖唖(ああ)と鳴く鴉の声を聞くのみである。
あたら、謙信ほどの英雄にしても、北越の小天地にしか身のおきどころがなく、能州の月の名詩を賦したにとどまり、さらには上洛して京都郊外の桜の花を吟詠することができなかったことは、かえすがえすも惜しむべきである。
という内容の詩です。