政府、情報収集用の人工衛星を倍増へ 5基⇒9基に K政府、情報収集用の人工衛星を倍増へ 5基⇒9基に
情報収集衛**→9基に 政府、ミサイル探知や災害対応
政府は情報収集用の人工衛星を2029年度までに倍増する方針だ。ミサイルの早期探知や災害把握の精度向上などに役立てる。現在データ中継衛星を含め5基の情報収集衛星を9基体制に増強する。
情報収集衛星のうち実際に空中や地上の様子を把握する機能を持つ衛星は大きく光学衛星、レーダー衛星に二分される。
情報収集衛星は、平成10年の北朝鮮による弾道ミサイル「テポドン」の発射をきっかけに政府が安全保障に関する情報を独自に集めようと導入した、事実上の偵察衛星です。 政府の内閣情報調査室・内閣衛星情報センターが開発や運用を担っています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA055PY0V01C23A0000000/
日本の情報収集衛星ってどんなもの?
2018.02.26 : #ロケット/#情報収集衛星/#打ち上げ
安全保障に関する情報を集める政府の情報収集衛星が、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットの38号機で打ち上げられました。情報収集衛星は、これまでに16機が打ち上げられていて、衛星の開発や打ち上げ、運用に、過去10年間で年間平均700億円あまり、情報収集衛星の導入が閣議決定された平成10年以降、総額1兆3000億円近い国費が投入されています。安全保障に関わることを理由に、情報収集衛星の能力や打ち上げの詳細な情報はほとんど公開されませんが、日本の情報収集衛星とはどんな人工衛星なのでしょうか。
事実上の偵察衛星
情報収集衛星は、平成10年の北朝鮮による弾道ミサイル「テポドン」の発射をきっかけに政府が安全保障に関する情報を独自に集めようと導入した、事実上の偵察衛星です。政府の内閣情報調査室・内閣衛星情報センターが開発や運用を担っています。情報収集衛星は、日中の時間帯に高性能のカメラで撮影する「光学衛星」と夜間や悪天候の際に、電波を使って撮影する「レーダー衛星」の2種類があります。「光学衛星」と「レーダー衛星」をそれぞれ2機ずつ、あわせて4機で運用すれば、高度数百キロの上空から地球のあらゆる地点を1日1回以上、撮影できることになり、こうした「4機体制」は平成25年に整いました。現在は6機が運用されていて、今回打ち上げられた「光学衛星」の運用が始まると7機になります。
「能力」や「画像」は特定秘密
情報収集衛星は平成15年に導入された当初は、地上の1メートルの物体を見分ける能力があるとされていました。しかし、現在は、▼地上のどのくらいの大きさのものを見分けられるかを示す解像度や▼情報収集衛星で撮影された画像そのもの、そして、▼画像の分析結果は、いずれも平成26年に施行された特定秘密保護法に基づいて特定秘密に指定されています。
政府の宇宙基本計画では、情報収集衛星の能力について「解像度を含む情報の質等を、最先端の商業衛星を凌駕する水準まで向上すること等により、機能の拡充・強化を図る」としています。リモート・センシング技術センターによりますと、今回、打ち上げられた光学衛星の開発が始まった平成22年時点で、世界最高の解像度を持っていた商業衛星は、アメリカのGeoEye-1という衛星で、大きさが41センチ以上の物体を見分ける能力があったということです。また、現在の最大は同じくアメリカのWorldView-3と4という商業衛星で31センチ以上の物体を見分ける能力があるということです。日本の情報収集衛星はこれらの能力を凌駕することを目指して開発されているとみられます。