謎の老化を防ぐサーチュイン遺伝子サーチュイン遺伝子は寿命や老化以外の作用も研究されている。マサチューセッツ大学の研究チームは、サーチュイン遺伝子の一種であるSIRT1遺伝子を欠損させたマウスで記憶障害が見られ記憶の調節に関与する可能性があり、さらにアルツハイマー病と筋萎縮性側索硬化症の動物モデルで神経変性疾患治療への応用を示唆している。
サーチュイン活性化物質(Sirtuin-activator)を積極的に開発している米国の会社Sirtris Pharmaceuticals Inc.のホームページによれば、SIRT1-activatorはアルツハイマー病等の神経変性疾患、動脈硬化、心不全、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、2型糖尿病、肥満、筋肉減少症、廃用性萎縮症に効果があるという。Sirtiris社が開発した複数のSIRT1-activatorは低分子化合物で、現在も糖尿病治療薬として臨床試験中であるが、開発薬のいくつかは効果が無いという結果が出ている。なおSirtris社は2004年創設、2008年に大手製薬会社グラクソ・スミスクラインに買収された。