太平洋の奇跡・フォックスと呼ばれた愛の人・大場栄大尉の人生この編では、1000通にのぼる大場さんご夫婦のラブレターの紹介から始まる。これから分かる事は、戦時中の異常な軍部の洗脳活動に影響される事無く、正常な感覚を持ち続け、思いやりを持ち続けた結果、奇跡的に戦後夫婦として生涯を平和な状態でまっとう出来たのである。 二人の苦悩は、栄さんが、中国戦線に送られる事から始まった。更に悪い事に、彼は、中国からサイパンに派遣された。ここで、軍部の事あるごとに「死ね!」「死ね!」と言う洗脳を跳ね返していた彼の強い生きる意志が、彼を無駄な「万歳突撃死=無駄死に」から救い、彼をしてフォックスと米軍を恐れさせる英雄にしていった。強い生きる意志があったから彼は強い兵士になれたのである。愚かな者の中には、大場さんの様に万歳突撃死命令を無視して生き抜いた人たちを非難する者達がいるが、本当に馬鹿だなと思う。私の身内も中国戦線で戦死し、遺骨も帰ってきていないが、せめて、あの馬鹿馬鹿しい無駄死に・万歳突撃で死んでいない事だけを祈る。サイパンでは、5000人の兵士と民間人の一部に万歳突撃が命ぜられ、99%の人達が無駄死にさせられた。これは、世界史で、史上最大の自殺攻撃である。これを命じた大本営軍トップ達は、精神病を患っていいたとしか考えられない。最近の調査で、軍トップが玉砕命令を出した理由は、負け戦の証拠隠滅=日本の敗残兵を処分だったと分かってきたが、私は、だから奴等はキチガイだったのだと確信している。最後に、私も”太平洋の奇跡”を鑑賞してみたい。