VENONA ヴェノナ 解読されたソ連の暗号と共産主義スパイ活動ヴェノナ(VENONA)とは、1943年、米陸軍が独ソ単独講和を危惧して開始した在米ソ連暗号通信傍受・解読作戦である。半世紀以上にわたり秘匿され続けてきたが、ソ連崩壊と共に旧ソ連の機密情報が一部公開され、これとともにVENONAの存在を裏付ける史料が見つかり、1995年、ようやく公開されるに至った。傍受した通信量に対して解読出来たのは僅かであったが、それでも尚、ヴェノナ解読情報は戦後史を塗り替えるものであった。
第二次世界大戦時の同盟国ソ連が百人単位の規模でアメリカにスパイを送り込み、外交、軍事、産業上の機密情報をことごとく盗み出していたことが分かったからである。当時のルーズベルト政権は、完全にソ連の工作の影響を受けていた。ソ連はアメリカの原爆プロジェクト「マンハッタン計画」を事前に把握しつつ、1945年8月6日の広島への原爆投下を見届け、同月8日に対日戦線布告を行った。