風のころもと青鞘と/GACKPO作詞・作曲・編曲/Sound:七里
【歌詞】
風の衣を着た男が
ふらりとおでまし 取手宿
やくざ風情の強面
派手な青鞘 腰に差し
ほめちゃあいねえが ケレンが効いて
兇状持ちなら なおさらに
おそれ多くて近づけねえ
風の衣をなびかせて
素通りすると思いきや
気まま 気まぐれ 長逗留
ついたあだ名が アオザヤか
アオザヤさんとか気安く呼んで
腰の低さに釣られるな
どうせ風向き 風のもの
風の衣のアオザヤに
だれが探りを入れたやら
うまれ下総 成田っぺ
酒は苦手で 茶をすすり
火のないキセルを斜めに咥え
なにやらぶつぶつ独り言
きの字にころがるやからとか
風の衣を薄ものに
着替えてうろつきゃ もののけか
よしゃあいいのに質屋の娘
惚れた相手がアオザヤと
うわさがひろがり 大利根花火
ろくでもねえやな 質の草
恋は流れて 涙ぐせ
★
風の衣に やれ三度笠
行き先訊いても むだなこと
街道 かんざし うしろ髪
*歌詞に「きの字にころがる」がありますが、あまり見たり聞いたりすることのない言葉ですので、蛇足ながら注釈を加えます。
きの字に寝る、きの字に座る、などといいます。
きの字に寝るとは、上半身はあおむけで、下半身を横に向けひざを曲げる姿勢。だらしのない寝姿、座り方をさすこともあります。
歌詞では「やから」を付けて悪評の意味としました。
武家の女性は《威厳を保つため》に「きの字」の姿勢で寝るよう教えられていたという説もあるそうです。