「老いを止める」.細胞分裂のたびに複製されるDNAの遺伝子情報。ヒトの染色体には末端部分が破壊されないよう保護する構造「テロメア」がある。ほつれないように固めてある靴ヒモの端のようなもの。解明したのはオーストラリア人の生物学者、エリザベス・ブラックバーン博士の研究チーム。さらに、複製ごとに少しずつ短くなっていくテロメアを再び伸長させる役目を果たす酵素「テロメラーゼ」も発見した。
テロメアが短くなっていくと、最終的には細胞分裂が停止し、細胞は死に至る。逆に、テロメラーゼによってテロメアを伸長させ続ければ、細胞は永遠に分裂を繰り返すことができるのだ。
つまり細胞分裂が続けば、永遠に老いないことになる。しかし、皮肉な事実が待ち受けていた・・・。
ブラックバーン博士をはじめとする世界各地の科学者たちの研究実績とインタビューを通して、老いや病に対して自らの細胞を健康に保ち、よりよく、長く生きるために、私たちのどんな可能性があるのかを探る。