上祐史浩『 全ては心の現れと説く仏教哲学‐敵と友も心が作り出す』2016年3月6日 名古屋 重要な仏教哲学の一つとして、外界は全て自分の心の現れであるというものがある。それぞれの人は、異なる五感と意識を持っており、そのため、人によって、同じ現象を異なる印象を持って受け止める。
言い換えれば、一つの確たる世界があると言うのではなく、実質上10人に10人の世界がある。これは、大乗仏教の唯識思想と呼ばれる思想の一部でもある。
これは、仏教の縁起と空の思想にも合致する。それは、あらゆる事物は、原因・条件によって生じ(=縁起の法)、原因・条件が変われば変化するため、固定した実体がない(=空である)と説く。よって、外界を受け止める五感や意識が異なれば、感じる世界も変わる、ということである。
そのため、心の持ち方・考え方によって、苦しみも喜びに変えることができると説いた(同じように、喜びも苦しみに変わることがある)。
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