STEADY RAIN誰かの顔が浮かぶ
振り返った君が笑っただけで
何が怖くて戻らぬ日の情景が今になり蘇るの?
長雨が僕の手のひらの浴槽をたちまち溢れさせ
残るのはこれっぽっちの思い出
この先ずっと降り止まなくても
日々は平然と立ち止まる
どんな濁流の只中でも
日々は平然と歩き去る
力尽きた者を置き去りにして
蓋を失くし雨の止まない星のそこら中に君がいる
やがて僕の体も地上も通り抜け
後ろ姿だけずっと
搔き消されてく 小さな声など
外傷体験に取り憑かれていた
膨張し続ける雨音のノイズ
その果てに広がるまっさらな雪原は
万物全て降伏したかのよう
なんて白々しく善人の顔をして
雷鳴に気付かない
いつ渡り鳥は消えた?
きっともう遥か遠くの国
そこの言語が体中に満ち
きっと僕の知らない悲しみ 喜び
君は知ってるだろう
もしもどこかで偶然に見かけてもきっと何も言えない
何も言えない 何も言えない 何も