敗戦後の600万人在外邦人・シベリア抑留者引き揚げカラードキュメンタリーこれは、日本には敗戦直後の在外邦人引き揚シーンはあまり残っていない。しかも、このクリアーな引き揚げ港の舞鶴のカラー像は貴重である。歴史的事実を淡々と解析し、真実を伝えるドキュメンタリーである。乞食のようないでたちで、やっと息で帰国した人々の表情に安堵と不安な気持ちが読み取れるようだ。シベリア抑留者が受けた理不尽な差別など引き揚げ者たちの苦悩も語られている。なかでも、731部隊出身者が、先に引き揚げた元部隊員が元部隊長に挨拶に行くように駅に迎えにきた事実には驚く。彼らは、自分たちが行った大犯罪への懺悔など°何処へやらという感じで、彼らがそのまま戦後をのうのうと生活したことには呆れる。更に、原爆生存者の様子や何も建築物が残っていない東京の市街地や上野駅に集まった無数の浮浪者の様子も印象深い。闇市を取り締まる警察の意気込みが凄い。正義のため?いや、きっと、後で食するためだろう!これでは、警察はヤクザノ上部組織ではないか?最後に、「ラーゲリーからの遺言状」の話が語られている。この悲しい話は、世界中に伝わっていた証拠であろう。