映像の世紀 #4ヒトラーの野望
人々は民族の復興を掲げたナチス・ドイツに未来を託した
20世紀、最も巧みに映像を利用して人々の心をとらえた権力者、それはヒトラーであると言われている。ヒトラーを記録した映像からは演説のテクニック、ナチス台頭のプロセス、大衆操作の戦術などが臨場感豊かに伝わってくる。ヒトラーが政権を握ったのは1933年、人々はなぜナチスを熱狂的に支持したのか。それはナチス自らが制作した映像に見ることができる。1930年代は国家がプロパガンダ映画を使って、世論をリードした時代であった。大恐慌からの再建に苦しむアメリカ、資本主義社会への優越性を宣言するソ連、満州国の建設に踏み出した日本の姿を折り込みながら、世界を戦争に巻き込んでいくナチス・ドイツの狂気の道を、映像を通して伝えていく。