ケモノヅメ 1初めての味
食人鬼を狩るため古より続く戦闘集団「愧封剣」。その師範代である桃田俊彦は、事もあろうに愧封剣館長殺害の疑いをかけられた食人鬼の上月由香と恋に落ち逃亡してしまう。俊彦の弟の桃田一馬は、逃げた二人の追跡と愧封剣の館長職を継いで愧封剣の運営に乗り出す。
元愧封剣メンバーの大葉久太郎の助力を得て組織の近代化を進める一馬だが、最近の食人鬼の激増による連戦で疲労の頂点にある隊員達と、 これを機に影の存在であった愧封剣を社会にアピールしたい一馬の間で亀裂が生じはじめる。
愧封剣の追跡をかわしながら食人鬼と人間の禁断の愛を育む俊彦と由香。自身の抱えた秘密に気付かぬまま組織の改革に狂奔し孤立を深め、やがて精神的に追いつめられていく一馬。
一馬に助言と助力を与えつつも密かにある策謀をめぐらす大葉久太郎。それぞれの思惑が絡み合いながら物語は疾走する…