朗読 ~人と海~ボードレール(1821~1867) フランスの詩人。
詩集「悪の華」により象徴派への道を開いた。
感覚の照応、悪にひそむ美、自意識の苦悩を描いて
前人未踏の深さを示す。近代詩の祖とされる。
散文詩「パリの憂鬱」、美術評論「ロマン派芸術論」、
日記「赤裸の心」など。
★ヘッドホンで聴いてくださいね!!!
朗読 ~人と海~
自由な人はいつも海を愛する
海は鏡であり、心の奥が見える
白波の絶え間ない到来の中に
気持ちは渦を巻いて、苦痛となる
その幻影の中に身を投じよう
目を腕を抱きかかえ、心臓は時折、
抑えがたい、激しい苦しみの
騒音の ざわめきから、解き放たれる
海も君も、静かさと闇の中にある
人の心の深さは、計ることは出来ず
海の内なる豊かさも知り得ない
何と多くの秘密を持っていることか
そして、いつしか無数の月日が経ち
いつも情け容赦なく戦いは続き、
二人とも殺戮と死を愛して、
ああ永遠の闘士、ああ執念の同胞となる